
はじめに
「コンセントに家電を挿したら火花が出て、ブレーカーが落ちた!」
そんな経験、ありませんか?突然の火花と停電に焦ってしまうかもしれませんが、実は多くの家庭で起こり得る、意外と身近なトラブルなのです。
家庭内で安全に電気を使うためには、こうした現象の背景にある原因を正しく理解し、適切に対処することが欠かせません。本記事では、コンセントから火花が出る理由やその対処法、さらに安全のために知っておきたい知識や注意点について、詳しくかつ丁寧にご紹介します。
コンセント交換
第二種電気工事士をお持ちの方はコンセント交換に進みましょう
ブレーカーを落とす
安全に作業するために必ずコンセントを交換する際はブレーカーを落としましょう。
コンセントの配線をチェックする
今回はトラッキング現象だったのですが幸いにも配線は燃えていないため再使用できそうなのでコンセントの差し込み口のみ交換で良さそうです。
ここでもし配線が黒焦げだったりする場合は配線を引き直さなければ危険なので業者に依頼しましょう。
電気の配線は壁の中を通っているため交換がとても大変なのと万が一の事故に対応できないため業者に依頼するのが賢明でしょう。
よくある原因
1. 経年劣化による接触不良
長年使われているコンセントでは、内部の金属端子が劣化し、プラグを挿したときにしっかりと接触しなくなることがあります。このような状態では、電流の流れが不安定になり、火花が発生する原因となります。特に古い住宅や事務所などでよく見られる現象です。
2. プラグの抜き差し時のアーク放電
電源が入った状態でプラグを急に抜いたり挿したりすると、「アーク放電」と呼ばれる現象が発生します。これは電流が空気中を飛び越えて流れることで起きる火花で、特にドライヤーや電子レンジなど、電力消費の大きな機器で顕著です。
3. トラッキング現象
コンセントの周囲に溜まったホコリに湿気が加わることで微小な放電が繰り返され、やがて炭化して導電性を持つ物質となり、最終的には発火に至る現象です。これが「トラッキング現象」と呼ばれるもので、未使用のコンセントでもホコリが溜まっていれば危険性があります。
4. アース線の誤接続・接触
配線を誤って処理したり、電源タップの改造などを行った際に、アース線(緑色の線)が他の金属部に触れてショートを起こすことがあります。このような誤接続は、思わぬタイミングで火花やショートの原因となり得ます。
画像のようなコンセントプラグはちょうどいい長さでアース端子がついているためコンセントの金具に挟まったまま気付かずにコンセントをさしてしまいそのまま火花が散るということが起きます。
ブレーカーが落ちたときの対処手順
1. まずは原因を特定
火花が出たコンセントや接続されていた家電製品を確認し、まずは使用を停止してください。その上で、他の部屋や回路でも異常が起きていないかをチェックすることで、原因の範囲を絞り込めます。
2. 火災の危険がないか確認
焦げ臭いにおいや白煙、あるいは壁の内部から異音がするなどの兆候がないかを確認してください。少しでも異常があれば、すぐに避難し、119番に連絡を。
3. ブレーカーを戻す前にコンセントを使わない
問題が発生した機器やコンセントは、安全が確認されるまで使用を避けてください。電源プラグは必ず抜いた状態で、ブレーカーを戻すようにしましょう。
トラッキング現象などで火花が出たコンセントプラグなどは熱で変形したり接触面がガタガタになって熱を発生させる恐れがあるため家電のコンセントプラグを交換できる場合はコンセントの再使用は控えた方がいいです。
家電側のコンセントプラグを交換する際は電気工事士の資格は不要になるのでぜひトライしてみましょう。
家電のコンセント交換に使う工具はワイヤーストリッパー、プラスドライバー、カッターなどでできます。
4. ブレーカーを戻す
安全が確認されたら、分電盤の該当するブレーカーをONに戻します。もし何度もブレーカーが落ちるようであれば、漏電や回路内部のショートなど重大なトラブルが考えられます。速やかに専門業者に相談してください。
自分でやってはいけないこと
- コンセントを分解・修理する
見た目には簡単そうでも、コンセントの内部には高電圧が流れており、非常に危険です。電気工事士の資格を持たない人が触れると、法的にも問題があり、事故のリスクもあります。 - 原因がわからないまま使い続ける
「とりあえず直ったようだから」と安易に使用を再開すると、次回は火災などの重大な事故につながる恐れがあります。必ず安全確認を!
電気工事士に相談するべきサイン
以下のような状況に該当する場合には、迷わずプロに相談することが賢明です:
- コンセントの周辺が焦げて黒くなっている
- ブレーカーが繰り返し落ちる
- 特定の家電を使用するたびに電源が切れる
- 電気を使っていないのにブレーカーが落ちる
- 火花の音が「バチッ」と大きな音だった場合
こうした兆候は、単なる経年劣化では済まない可能性があります。漏電や回路の損傷、さらには火災の前兆であることもあるため、専門業者による点検を受けることが必要です。
まとめ:身近なトラブルに冷静な対応を
コンセントから火花が出てブレーカーが落ちる現象は、誰にでも起こり得る身近な電気トラブルです。原因を正しく見極め、冷静に対応することで、二次的な被害を防ぐことができます。もし少しでも異常を感じたら、無理をせず、速やかに専門業者に連絡しましょう。
家庭の安全は、日々の小さな点検と意識の積み重ねによって守られます。安心して暮らせる環境を、自分の手で築いていきましょう。